還暦を迎えて
還暦の日、家人も子供も何も言ってこない。今までの誕生日だって殆ど無視されている。家人が音頭を取るようなことも子どもが気遣いをすることもない。
自分が親の還暦に何かしたことも無い。だから「鏡の法則」だね。自分で理由をつけて親を祝うことを拒否してきたのだろう。何せ、親は最初に「親」を放棄してしまったのだから。
※
生まれた年に戻るから、産着と同じ赤い着物を贈る。
はな子の一周忌
はな子の一周忌
1年は早い。まあ、1年は1年でしかないけど。墓はまだ作っていないが、また法事の季節。福井へ帰ってやるのも一つだが、実はあまり付き合いたくない正善寺の世話になるのは避けたかった。福井で正善寺以外でやるとややこしい。こちらはそんな気はないが、向こうは檀家だと思っている。何度はお金を無心するような手紙がきた。はな子の葬式までは西瓜屋との関係が残るので正善寺との付き合いも止むを得ない。しかし、はな子自身は正善寺を嫌がっていたのも事実。いつもお金の話をするから嫌になったのだろう。
NHKとか日経の記事でおぼうさんドットコムの話が出ていたので早速コンタクトして費用を聞く。見積もりをFAXしてもらった。思ったより高い。5~6万円は軽く越えるかも。見積もりで嫌だったのが、分けの分からない移動費。都内5千円で、ここは1万円。本部は稲田堤あたり。稲城市。隣町じゃないか。それが北区とか葛飾区とかの遠地より高い。完全に馬鹿にしている。
で、直接自分でお寺探しを始めた。浄土真宗で市内にあるお寺。ホームページの構え。グーグルマップでの記載状況。数が少ないから絞込みは簡単。お西お東は不明。西善寺。西善寺でも御東様でお経が違った。お袋も困惑しただろう。問合せで電話に出た女性は若い坊さんの母親で丸岡出身とか。驚くね。お経は違ってもまた土産話が出来たかもしれない。
本願寺への納骨のケアを女帝に頼んでいるが、結局何もやっていない。
結局、自分もここに入るんだ。
結局、自分もここに入るんだ。
昨日、60歳になった。還暦。
DMだけが誕生日を知っていた。よくあることだ。女帝は遅くまで仕事。仕事が大事とか。
一つの区切りだから電気釜を買った。もう大分前から”ぼろぼろ”と文句つけられていて気になっていたもの。でも、有り難うはなかった。それより、まだ使える電気釜はどうするの?と言われてしまった。新しく買うまでは文句を言いつつ、新しく買うと前のでも十分だったといい始める。なんと始末の悪いことか。
一緒に、シュレッダーを買う。捨てられないで残していた書類。香典袋もそうだけど。それらをシュレッダーにかけて踏ん切りをつける。大昔からの名刺もシュレッダーにかける。過去と決別する訳でもないが、しがらみ・呪縛に繋がりそうなものはこの機会に断ち切りたい。
還暦の日なのに何もないので一人でワインをあける。
今日も何も無さそう。女帝は仕事は休みなのに片付けをしたいといってまた出かける。
佑記の式を写すのにと思ってコンパクトデジカメを買う。後メモリと。そのときは黙っていた。
佑記からおめでとうメールが届く。中身は無い。30を過ぎても子どもは子供。英記からは何もない。子ども以下だな。
自分で祝うしかないと思って赤飯を買って帰る。しかし女帝は見向きもしない。夕食はわざわざ親子丼を作る。根が意地悪なんだろうか。兎に角、赤飯でセルフ・セレブレーション。
デジカメのセットアップをしようと思って女帝から受け取ったら、即座にカスみたいなカメラばっか買ってもしようが無いでしょうと来た。さっき買うとき一緒にいて何も言わないで、家に帰ってから罵倒してくる。
この女帝は、何から何まで天邪鬼。絶句するしかなかった。
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一緒に、シュレッダーを買う。捨てられないで残していた書類。香典袋もそうだけど。それらをシュレッダーにかけて踏ん切りをつける。大昔からの名刺もシュレッダーにかける。過去と決別する訳でもないが、しがらみ・呪縛に繋がりそうなものはこの機会に断ち切りたい。
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