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泰義の妻 -2

ヤスコははな子の危篤を聞いても、逝去を聞いても、何もしようとしない。生家の人間の常識を疑っていたヤスコ自身がいつの間にか非常識人間に落ちぶれていたのだ。 泰義は勿論、もっと非常識で話にならない。完全にヤスコの尻の下に敷かれている。ふがいない男に成り下がっていた。葬儀の場所から電話したときも間の抜けたやり取りをしていた。思わず「元気ないね。体調悪いの?」と聞いてしまったが。 どんな連絡もヤスコの検閲を受けているようだ。それに安住していることで世間から逃げているのかも知れない。 ヤスコは、だから義姉としての振る舞いは全く無いにも関わらず、お付き合いはしないと言って来た。今までの何もしない状態がお付き合いなら、お付き合いはしないとはどういうことだろう。面白いことを言う泰義の妻であることか。 ※ 親爺も姉貴も弟も、仏壇にお参りして、忌明けの儀式に出席して、それぞれお香典、ご霊前を出しているにも拘らず、泰義夫婦は一切何もしない。催促される形でお香典を送ってきたは良いが、ヤスコは嫌々する香典であると電話をしてくる始末。故人に対するお悔やみも無く、要するに受け取らないで送り返して欲しいと言って来た訳だ。で、そのように送り返すしかなかった。 泰義夫婦は本当に何もしない。お金が惜しいからだろう。 何も貰っていないけど、香典返しは送り届けた。これ、送り返してくるのかな?。ヤスコの頭の構造が少しは理解できそうだ。

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