いつまでメソメソしているのか。マルは天から使わされて、天に戻っていった。地上のわが家族との一員として、一緒に家族を支えてくれて、天寿を全うした。息遣いは無いけど、マルは家族の直ぐ傍にいて見守ってくれているに違いない。今までと全く同じように。おねだりをしてくれることは無いけれど、甘えてくれることは無いけれど、どうして欲しいかは心で分かる。
皆揃っている?誰も遅れていない?と止まって後ろを窺うマルの姿はもう見えないけど、マルの心配が無いようにしないといけないね。
※
家の中は、街の通りは、どこもマルの思い出でいっぱい。忘れるなんてとても出来ない。散歩で撮った写真、傍にはいつもマルが居た。マルは、写真を撮るのをいつも待っていてくれた。時には、嫌、多くの場合、早く行こうとリードを引っ張った。写真が下手なのはマルが引っ張るからと言い訳も出来た。
今日の散歩はどのコースにするか。同じコースが続くと嫌がったから、できるだけ新しいコースを選んでいたから、足を踏み入れていない路地は殆ど残っていない。何処もかしこもマルの思い出を引きずっている。
今、どうしたら、マルは喜んでくれるか。喜ぶマルの姿を確認できないけどイメージは出来るかもしれない。
※
マルの歴史館~博物館を作るのはどうだろう。目的をすり替える。皆がいつでもマルを思い出せるように。
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